遠い世界に旅に出ようか

音楽の教科書で知っている人がいるかもしれませんが、「遠い世界に」という歌が昔ありました。私が大学時代に在籍したユースホステル同好会のテーマソングでした。最近、自分自身旅に出たいと思うようになりました。旅のノウハウ、特に海外旅行に関して、いまさら聞けないような基本情報から深堀情報まで、自分なりに調べた結果を具体的にまとめて記録・保存したいと思いこのブログを立ち上げました。これをきっかけに旅に出る人が増えたらうれしいです。

海外旅行に最適なクレジットカードは

今回は、海外旅行をするときに最適なクレジットカードに関して、必要な機能と概要を説明します。それぞれの具体的なカードの内容は、別記事で説明しますので、そちらの方も参考にしてください。

クレジットカードに関する情報は、ネットや動画サイトにあふれています。

しかし、ほとんどの情報は、そのクレジットカードが持っている様々な特典や機能、メリット・デメリットを紹介するものです。それはそれで参考になり、非常にありがたいです。しかし、最終的にカードを選択するのは自分自身です。自分にとって何が必要か不必要かしっかり判断しなければなりません。

見ていて、一瞬すごくいいなぁ、欲しいなぁと思ってしまうのですが、ふと我に返ると、その特典、ホントに自分に必要なの? もちろんあれば嬉しいけど、なければどうなるの? その特典を得るための代償は? ・・・等、一歩引いて、俯瞰的に見直す必要があります。

クレジットカードを選ぶ際には、自分の生活スタイル、自分が今必要としているものだけを優先して選択しましょう。それ以外は無くてもいいおまけ程度と割り切るのがいいかと思います。

特典がてんこ盛りのクレジットカードを高い年会費を払ってゲットしても、宝の持ち腐れになる可能性もあります。

ほとんどの人は、すでに何枚かのクレジットカードを持っているかと思いますが、そのまま使い続けていいのか、それとも他のカードを追加したり乗り換えた方がいいのか定期的に見直すことも必要です。

ここではクレジットカードの機能について、「目的」を重視しながら辛口コメントも入れてレヴューしてみたいと考えています。

 

世界一周旅行を目指している人にとって、クレジットカードは重要な存在です。

クルーズ船による旅行ならば、普段使っているクレジットカードでだいたいの用は足りるのですが、航空機を使ったプライベートな旅を考えている人にとって、クレジットカード選びは非常に重要なポイントになります。

 

海外旅行で必要なクレジットカードの機能

・現地でのカード支払い

・現地通貨のキャッシング

・旅行保険の付帯

・ホテル(優待)

・マイルを貯める

・チケット手配、旅行相談等のサービス(コンシェルジュ)

・その他

このような機能がすべて他より有利な条件で備わっているクレジットカードが存在すれば、それ1枚で事足ります。しかし、クレジット会社も顧客確保のために、様々な工夫・差別化をしており、それぞれ異なる特徴があります。私が調べた限りでは、1枚ですべてを満足できるカードはありませんでした。カード会社もビジネスとしてやっているので、すべてのユーザーにまんべんなく大きなメリットのあるカードというものはなかなか見つかりません。もちろん高額な年会費を払えば、かなりの部分を網羅できるカードもありますが、その費用対効果、損益分岐点を考慮すると、利用実態に対応する要求仕様にあてはまらないケースがほとんどです。少なくとも私の場合はそうでした。

費用対効果を考えながら上記の機能(目的)を満たすためには、複数のクレジットカードを組み合わせて使用することも考えておく必要があります。

 

ここでは、クレジットカードに求められる機能について検証してみます。

【現地でのカード支払い】

ほとんどの人が、海外旅行する際に支払う金額の大半は、クレジットカードによるものだと思います。海外でカード支払いする場合、日本で発行されている普通のクレジットカードならば、ほとんどOKです。日本のクレジットカード会社が発行しているカードには、たいてい国際ブランドの提携クレジット会社のロゴが記載されているからです。

中でもVISAやマスターカードであれば、ほぼ世界中を網羅できます。逆にこの二つが使えない場合は、他のカードも使えないとあきらめなければならないほどです。

ちなみに両方ともアメリカの企業ですが、マスターカードの方はヨーロッパに強く、それ以外の地域はVISAが優勢と言われています。

一方、アメリカン・エキスプレス(以後アメックスと呼ぶ)とダイナースカードは、カード決済というよりは、ホテル・旅行の手配サービスを得意とするカードになります。そのため、日本でも海外でも、VISAやマスターカードに比較して使えるところが少ない傾向にあります。


JCBは日本ブランドなのですが、残念ながらアメリカ発の国際ブランドには及びません。かなり頑張ってはいるものの、海外にJCB1枚で旅立ってしまうのは、ちょっと不安です。ノーマルカードであれば年会費無しで簡単に手に入れられるので、VISAやマスターを用意したほうが便利です。

海外では、多くの場所でレストラン(チップ含む)や買い物、ホテルの支払いはもちろん、タクシー、地下鉄などの交通機関もクレジットカードで利用できるようになってきています。

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外国では、日本ほど容易にクレジットカードを持つことができません。そういう意味では日本に住んでいてラッキーです。クレジットカードはその名の通り、持ち主の信用を表すものです。海外旅行の時に、本人のステイタスを保証するためにも、クレジットカードは重要です。

 

【現地通貨のキャッシング】

地域や店によっては、現金でなければ支払いができない場合があります。現地通貨が必要な場合、あらかじめ日本の銀行や空港で両替してから出発する方法、現地の空港や外貨両替専門店で両替する方法などがありますが、おススメなのは、クレジットカードを利用する方法です。

海外キャッシングは利用日の実勢レートで換算されるため、銀行や両替所などよりも、為替レートが良い場合が多いです。また、銀行や外貨両替専門店などの両替手数料よりも、キャッシングした方が、利息やATM手数料を含めても安く済むことが多々あります。クレジットカードによって、これらの費用は若干異なるので、前もって情報収集して、どのカードを使うか決めておいた方がいいです

ATMは空港やショッピングモール、街中などあちこちにあり、24時間対応されているので、便利です。

ATMにはVISAやMasterCardのロゴや、PLUSやCirrusの表示などがあります。

「PLUS」マークがVISA、「Cirrus」マークがJCBとMasterCardに対応していますので、まずは自分のクレジットカードが対応しているか確認してみてください。

個人的にはマルチマネーカードを使うのがいいと思っています。

お勧めのキャッシング方法は別記事でご紹介します。

 

【旅行保険の付帯】

海外で事故や病気になったとき、日本の健康保険は適用外ですので、自分で全額費用を払う必要があります。海外での医療費は、想像以上に高額になるので、あらかじめ覚悟しておかなければなりません。そこで心強い味方になってくれるのが海外旅行保険です。

 

旅行前に損害保険会社で海外旅行保険を契約する方法と、クレジットカードに付帯している旅行保険で賄う方法があります。

旅行期間が3ヶ月を超えたら、損害保険会社の一択になります。クレジットカードに付帯している旅行保険はほとんど一度の旅行が3ヶ月以内という規定になっています。

もうひとつ、補償金額の問題があります。可能性が高い障害・疾病治療の場合、最低でも300万円は確保したいものです。しかし、100万円とか150万円といったカードも多いのが現状です。その場合は、複数のカードで対応する必要があります。

また自動付帯か、利用付帯かをあらかじめ確認しておくのも重要です。利用付帯の場合、そのカードで航空券などの旅行費用を支払わなかった場合、補償対象になりません。

もうひとつ重要なのは、実際に海外で治療を受けた場合に、保険会社がどんなサポートをしてくれるかです。病院の手配など日本語で無料電話対応してくれて、さらに支払いもキャッシュレスですませることができるのがベストです。全部自分で処理して費用も自腹で一時立て替えが必要だとすると、あとあと面倒くさいことになります。

損害保険会社の海外旅行保険はその点安心です。そのかわり保険金額がそれなりに高くなっています。カードと同じ3ヶ月間の海外旅行で見積もると、だいたい5~6万円の掛け金になります。これをクレジットカードの付帯サービスで代替できるというのは財布にやさしいですね。

 

クレジットカードによっては、保険内容・サービス内容がかなり異なりますので、別途具体的な比較を行ってみたいと思います。

 

【ホテル(優待)】

海外旅行で欠かせないのがホテルです。クレジットカードによっては、ホテルに安く泊まれたり、様々な特典が付いているものがあります。ホテルチェーン自体が発行しているカードもあります。プレミアムカードクラスになると、なんらかのホテル特典がついているものです。

ここで重要なのは、自分が旅行するときにどんな場所のどんなホテルに泊まりたいのかです。特典に目がくらんで、さほど必要のないホテルに泊まることになると本末転倒です。まずは、旅行で行きたい場所を決めて、予算や行動を考慮して、その近くで当てはまるホテルを探すことを優先するべきです。

とはいえ、観光地には多くのホテルがあってどこがいいのかわからないことが多いと思います。そんな場合は、ある程度有名なホテルチェーンの中から選ぶと、一定レベルのサービスが受けられ、安心して泊まれます。

ホテル主体で選ぶとなると、マリオットボンヴォイとヒルトン・オナーズが有名です。他にも同じようなシステムがありますが、ホテルの選択肢が多いことからこの2択になると思います。

アメックスは成り立ちからもホテルに強いので、様々な特典があります。

もちろん、ホテルに関してはクレジットカードに付帯している特典を利用しないという選択肢もあります。

先にも書いたように、場所や予算を考えて、自分が泊まりたいホテルにマッチしているのはどこか?というのを優先して決めていけば、答えが出てくると思います。

 

【マイルを貯める】

旅行好きな人なら、クレジットカード⇒マイル交換 が必ず頭の中にあると思います。クレジットカードを使う特典の中でも特に注目されている部分です。

飛行機に乗らずとも、日常の買い物等でポイントが貯まっていき、それをマイルに交換して、特典航空券で飛行機に乗れるという図式です。

日本人であれば、通常JALかANAのマイルを貯めると思います。アライアンスが同じであれば、互換機能があります。また、最初から海外の航空会社のマイルを貯めることで、効率化を図るケースもあります。

ANAアメックスカード

一般的には、カードで200円を支払うと、1マイルが付いてきます。0.5%という表現をします。効率のいいものは、1%かあるいはそれ以上のものがあります。

これも目的を明確にする必要があります。いろいろな支払いでカードを使っていたら、自然にマイルが貯まるのが普通ですが、マイルを貯めるために無理にカードを使うようなことがあったら本末転倒です。目的をもう一度見直すように心がけるべきです。

 

【コンシェルジュ】

プラチナクラスのクレジットカードを作ると、たいていコンシェルジュサービスが受けられます。

コンシェルジュサービスでできる主な内容は、ホテル・レストランの予約、航空券やその他チケットの手配、旅行の計画相談などです。

例えば、世界一周旅行を計画する場合、世界一周航空券の手配、ホテルの手配、現地情報の提供、レストランの予約などを無料で行ってくれます。

世界一周航空券の手配や航空便の変更には通常手数料が発生しますが、コンシェルジュは無料で対応してくれます。

海外にもネットワークが広がっており(もともと本社が海外の場合が多い)旅行先から日本語で相談して現地のホテルやツアーを予約してもらうなんてことも可能です。

このように、自分でプランを立てて、ツアー会社を通さずに海外旅行する場合の、強力な助っ人になるのがコンシェルジュサービスです。

プラチナカードの高い年会費には、その費用も加算されていると思った方がいいです。そういうシチュエーションが無い人、使う頻度が少ない人にとっては、無駄な機能ですので、その年会費を払う価値があるかどうか、一考すべきです。

 

有名なところでは、やはりアメックスのプロパーカードのコンシェルジェです。(アメックスの場合は、コンシェルジュではなくコンシェルジェと言います。発音の表現の違いです)これは海外には強いですが、日本国内はやや手薄です。

逆にJCBが提供するコンシェルジュサービスは国内に強く海外に弱い傾向があります。

しかし、その他の多くのクレジットカードに付帯しているコンシェルジュサービスは、専門の会社に委託するケースが大半です。

カード会社や提携ブランドは異なっていても、実は同じ会社が対応している場合が多々あります。中には委託元のカード会社によってサービス内容に制限を設けたりしている場合もあります。

電話だけではなく、メールで対応してくれる場合もありますので、複雑な内容でも気軽に利用できます。

 

【その他】

旅行に関するものであれば、空港ラウンジやカードラウンジの利用権が付帯してくる場合があります。

付いてきたらラッキーくらいの気持ちであればいいのですが、これが欲しくて、無理して年会費の高いカードに手を出すというのは本末転倒です。

自分が使う頻度は年に何回あるか、ラウンジを使った場合と使わなかった場合に自分にとってどんな差が生じるのか、冷静に考えてください。

世界の多くの空港ラウンジが使える「プライオリティパス」は、年会費がUS$429します。例えばカードの年会費が約US$300だとすると、「プライオリティパス分だけで元が取れる」と判断するのはあまりよくない考え方です。もちろんあれば嬉しいですが、自分自身がそこにUS$429の価値を見出している場合以外は、おまけ程度に考えるのが妥当です。

 

ラウンジと言えば、JALやANAで上級会員資格を取る方法もあります。よく修業と言って、資格を取る目的のみで飛行機に乗りまくるというケースもあるくらい、人によっては価値の高いものです。

JAL ステイタス

これもカードに絡んできます。上級会員を目指す場合に適したクレジットカードがあります。一度この資格を取得すると、そのクレジットカードを持ち続ける限り、一生涯上級会員の資格を維持できます。航空機で世界一周旅行をすると、上級会員資格の要求レベルをクリアできる可能性が高くなるので、欲しい人はこれも視野に入れていいと思います。

 

 

いろいろな意味で、クレジットカードは海外旅行で重要な存在です。

今後は、それぞれ具体的にどのカードがお勧めなのかを説明したいと思ってます。