遠い世界に旅に出ようか

音楽の教科書で知っている人がいるかもしれませんが、「遠い世界に」という歌が昔ありました。私が大学時代に在籍したユースホステル同好会のテーマソングでした。最近、自分自身旅に出たいと思うようになりました。旅のノウハウ、特に海外旅行に関して、いまさら聞けないような基本情報から深堀情報まで、自分なりに調べた結果を具体的にまとめて記録・保存したいと思いこのブログを立ち上げました。これをきっかけに旅に出る人が増えたらうれしいです。

世界一周航空券のルート作成(スターアライアンス編)

飛行機を使って世界一周旅行をしたい思っている人にとって、大きな味方になってくれるのが「世界一周航空券」です。巡りたい国や地域がある程度多い場合は、この世界一周航空券を利用するのが最もお得な方法だと言えます。もちろん個別にエアーチケットを購入する方法でもいいのですが、その場合でも一度は世界一周航空券を使った場合と比較してみてください。

世界一周旅行券は、スターアライアンス・ワンワールド・スカイチームといった航空連合(アライアンス)、ないしは世界一周路線を有する航空会社単独で取扱いを行っています。

下の図は、世界最大のアライアンスであるスターアライアンスの世界一周航空券の運賃体系です。一番安いもので、35万円程度で購入できます。ビジネスクラスやファーストクラスでも意外に高くないのが特徴です。資金に余裕がある人は、ファーストクラスで世界一周してみてはいかがでしょうか。

世界一周の定義というかルールは各アライアンスで異なるのですが、全体を通して共通しているのは、太平洋と大西洋を各1回ずつわたって出発地に戻ることと、大陸間では東西いずれかの方向に一方向に進むのが原則で、逆戻りはできないものがほとんどです。この基本ルールを頭に入れておきさえすれば、ネット上で簡単に世界一周のシミュレーションができます。
日本人にとっては、JALやANAが身近で、扱いやすいと思います。今回はその中で、ANAが参加しているスターアライアンスの世界一周航空券のルート設定を、実際のPC画面に沿ってご紹介します。

 

スターアライアンスの世界一周航空券のルート設定のHPはこちらです。

Round The World

roundtheworld.staralliance.com

https://roundtheworld.staralliance.com/staralliance/JA/round-the-world

このURLを開くと、下のような画面が出てきます。綺麗な景色の写真がたくさん掲載されているのがスターアライアンスの世界一周航空券ホームページの特徴です。

初めての場合は、左のオレンジ色の四角「新しい旅を始める」をクリックしてください。以前利用した時のルートを使う場合は、右の白枠四角「旅程の参照番号挿入」に記録した時の番号を入れて、下の「続ける」をクリックしてください。スターアライアンスの場合は、この番号を忘れてしまうと、過去の記録が見れなくなるので要注意です。

「新しい旅を始める」をクリックすると下のような画面になります。

ここに自分が居住している国やその他の項目を入力します。基本的にプルダウンで選択できるようになっていますが、出発地はアルファベットを入力すると候補が出てきます。ちなみに漢字で「東京」と入れても無効です。「TOKYO」と入れて初めて「東京,JAPAN」が候補にあがり選ぶことができます。とりあえず、開始日は適当に来年5月にします。キャビンはビジネスクラスで、人数は大人2人でやってみます。

記入が終わって「次のページ」をクリックすると下の地図が出てきます。

地図の左側には、先ほど入れた出発地が「東京」になっています。

まず東京から次はどこに行きたいかを入力します。

一番簡単な方法は、地図をスクロールさせながら行きたい都市の黒丸の吹き出しをクリックするとカレンダーが出てきます。

もう一つの方法は、左の四角の中に都市名を直接入れる方法です。ちなみにここにカタカナで「シンガポール」と入れても候補にわけがわからない都市名が出てくるだけで、シンガポールは選べません。アルファベットで「sing」まで入れるとシンガポールが特定できました。ベースが英語なので、日本語バージョンはけっこう手抜きです。翻訳精度がイマイチの仕様です。

シンガポールが選べたところで、カレンダーから日程を記入します。

ここで選ぶ日付は、シンガポールから次の目的地に出発する日です。

とりあえず、1週間くらい間隔を開けて、5月14日にしてみます。日程はあとから自由に変更できるので、柔軟性をもたせて1週間くらいの間隔で取っていくのがいいかと思います。日程変更は直前でもできるし、場合によっては、出発した後に次の便の日程を変更することもできます。これが世界一周航空券の便利なところです。

シンガポールの日程が確定されたところで、次の目的地を選びます。

このように、地図を見ながら、行きたいところをクリックしてカレンダーから日程を選ぶだけで次々にルートが決まっていきます。

ちなみに右下のボックスの中に途中降機の回数とマイル数が表示されます。

途中降機は最大15回におさめなければなりません。

マイル数は、29,000、34,000、39,000の3段階で航空券の価格が変わってきますので、ギリギリそれ以下に抑える工夫が必要です。

 

下の地図のように、ヨーロッパからアメリカ大陸に飛んだ瞬間に、世界一周が成立します。そのため、右下のボックスが「コンプリート」となり、金額が表示されます。この金額は最初に記入した人数分の合計額になっています。

マイル数は22,000なので、区切りの29,000までにはまだ余裕があります。もう少し立ち寄る場所を追加します。

ロサンゼルスとハワイを追加しました。

見積額はロサンゼルスとハワイを追加する前とほとんど変わっていません。マイルも29,000におさまりました。
ちなみにこの見積額は概略で、日々刻々と変化します。

ルートが決まったら、左下の「次のページ」をクリックすると、フライトの候補を検索に入ります。

行程の中で、ビジネスクラスが見つからなかった場合は、注意書きが右上に出ます。ビジネスで世界一周航空券を購入しても、適当な便が見つからずに一部エコノミークラスを使わざるを得ないこともあります。どうしてもそれが嫌なら、別のルートや日程に変更しなければなりません。

この検索結果の中には、乗継便が入っている場合があります。

今回のシミュレーションでは、

東京⇒シンガポール⇒ドバイ⇒イスタンブール⇒ウイーン⇒ヘルシンキ⇒リスボン⇒ニューヨーク⇒ロサンゼルス⇒ホノルル⇒東京

というルートを組んでみました。特にヨーロッパでは、あえてハブ空港のある大都市を避けて、ちょっと地味な都市を選んでいるので、このように乗継便が発生しやすくなります。スターアライアンスはヨーロッパではルフトハンザが強いので、ドイツが一番便利なハブ空港となります。

途中降機回数がまだたくさん残っているので、せっかくの世界一周航空券、乗継場所で観光してみるのもおもしろいと思います。

例えば、ヘルシンキ⇒リスボンでは、ドイツのフランクフルトで乗り換えることになっています。ならば、フランクフルトに1~2泊滞在する旅程にしてもいいかもしれません。

とりあえずこのまま進めてみます。

時間や航空会社、乗継などを確認しながら、候補の中からフライトを決定し終わると、下のような各行先の綺麗な風景写真とともに決定したフライトが表示されます。

そして、合計金額も表示されます。これは燃油サーチャージや空港税などすべてが含まれた金額です。

ここで一度旅程を保存しておきます。時間が経つと自動的に消えてしまいますので、ある程度完成したら、保存して「照会番号」を記録しておきます。



照会番号をメモした後、そのまま進むと乗客の基本情報を入れる画面になります。

ちなみに上の概要の中の追加料金の詳細を見てみると、下のようになります。

燃油サーチャージや各国の空港税等の明細が出てきました。自動でちゃんと計算してくれています。便利な機能ですね。

原油高騰でJALもANAも燃油サーチャージを爆上げしている時期ですが、これを見ると世界一周航空券では、あまり燃油サーチャージが高くない印象です。

飛行距離は25,295マイルなので、29,000マイルを下回っています。

ビジネスクラスの29,000マイルの基本料金は691,600円~ということだったので、ほぼその通りのイメージです。

さらに各フライトの座席までここで指定することができます。

このようにして、ネット上で世界一周航空券を購入することができるのです。

 

ここでは省略しますが、シミュレーションの途中で、ルートを変更したり追加するのも、わりと簡単にできます。

ここでいろいろなシミュレーションを行い、じっくりと自分のルートを検証するのがいいかと思います。私は、世界一周旅行では、この作業が一番重要になると考えています。何日かけてもいいので、発券までのシミュレーションは気のすむまで、とことんやってみることをお勧めします。

 

上にも書きましたが、発券した後の日程変更は柔軟に行えます。

ところがルートの変更となると、手数料が発生します。

ANAのインフォメーションをみるとこのように書いてあります。

世界一周運賃の経路変更はできますか。
はい、できます。
ただし、経路変更による旅程の総マイル数がすでにお支払いただいた運賃よりも低い運賃の最大許容マイル数に該当する場合は、交換発行手数料を徴収し変更を承ります。差額の払い戻しはいたしません。
また、最大許容距離数を超える場合は、交換発行手数料と差額を徴収の上、変更を承ります。

なお、世界一周運賃 の予約・変更はANAウェブサイトでは承ることができないため、ANA電話窓口 までお問い合せください。(メールでは承っておりません。)
※ANA電話窓口でお手続きする際は、交換発行手数料がかかります。

ちなみに手数料は日本の窓口の場合、1人1件につき5,500円(税込み)となっています。

世界一周旅行券を購入する場合は、日程はアバウトでもかまいませんが、ルートはしっかり確定させてから発券してもらうのがこつです。

 

お金で世界一周航空券を買う以外に、貯まったマイルを使う方法もあります。

こちらの方のルールをANAのホームページで見てみました。

・全旅程の距離(区間基本マイレージの合計。地上交通区間は移動マイルとして計算に含めません。)に応じて必要マイル数を算出します。
・太平洋、大西洋を1回ずつ飛行機を利用して横断する必要があります。
・ルートは東回り、あるいは西回りのどちらかで逆回りはできません。
・出発地と最終帰着地の間で最大8回の途中降機が可能です。(ただし欧州での途中降機は3回まで、日本国内での途中降機は4回までです。)
・出発国に戻る最後の国際線搭乗は、最初の国際線搭乗から10日目以降になります。
例:10月1日に日本出発の場合、 10月1日+10日=10月11日となりますので、 日本へ向けての帰国便利用は10月11日以降となります。
・旅程は最大12フライト区間に加え、最大4区間の「地上移動・同じ都市での異なる空港間移動」が可能です。

購入する場合よりも途中降機の回数が減っています(15回⇒8回)

こちらは全旅程の距離が細かく分かれており、柔軟に行き先を選ぶこともできます。

スターアライアンスのマイルをたくさん持っている人は、こちらの方法もお勧めです。

 

今回は、スターアライアンスの世界一周航空券のルート策定に関してシミュレーションしてみましたが、次回は対抗馬のワンワールドの世界一周航空券を検証してみたいと思います。