遠い世界に旅に出ようか

音楽の教科書で知っている人がいるかもしれませんが、「遠い世界に」という歌が昔ありました。私が大学時代に在籍したユースホステル同好会のテーマソングでした。最近、自分自身旅に出たいと思うようになりました。旅のノウハウ、特に海外旅行に関して、いまさら聞けないような基本情報から深堀情報まで、自分なりに調べた結果を具体的にまとめて記録・保存したいと思いこのブログを立ち上げました。これをきっかけに旅に出る人が増えたらうれしいです。

世界一周の旅「クルーズ船」だったら?

 

世界一周旅行といえば、代表的なのがクルーズ船です。

これと対極にあげられるのが、航空機を使う世界一周だと思います。

ここではまず、クルーズ船と航空機による世界一周旅行をざっくりと比較してみたいと思います。

 

まずはクルーズ船です。

クルーズ船による世界一周旅行の特徴

クルーズ船の世界一周旅行は基本的にツアー会社による催行が必須なため、移動は船、食事も船、行先もあらかじめ設定済みです。

すべてお膳立てができているのがクルーズ船です。

そのため、ストレスなく旅行をこなしていくことが可能になります。

反面、費用は一般的に高くなりがちです。ここが一番重要になるかと思います。

通常は200万円から、500万円くらい。部屋にもよりますが、広めのスートルームは2~3千万円します。

にっぽん丸スイートルーム

これは二人で一部屋を使った場合の一人分の費用になりますから、夫婦などのカップルで参加すると、この2倍の料金が必要です。

※この中には宿泊費や基本的な食費が含まれています。

 

日程は、船を使うために、100日前後かかるのが通常です。

ほとんどの時間が、船の中での生活になりますので、観光以外に船の中での生活を楽しめるかどうかが重要になります。限られた空間内での生活を楽しめるか、逆に苦痛に感じるかで、クルーズ船による旅の印象が180度異なる結果になるかと思います。

船での移動は時間がかかるので、観光に割ける時間は、全体日程の中で、2~3割程度です。

寄港地では基本的に1日(場合によっては半日)滞在するだけなので、30か所寄港しても、残りの70日間は船の中での生活になります。

英語の堪能な人は別として、普通の日本人ならば、日本で企画催行されたツアーに参加するのがいいかと思います。一部寄港地での観光を除いて、ほぼほぼ日本語のみで世界一周を完結することができるのも、クルーズ船による旅行のメリットと言えます。

 

これに対して、ちょっと航空機を使った場合も見てみましょう。

航空機による世界一周旅行は、ホテル滞在が基本になります。

航空券・ホテルはもちろん自分で決めるのが基本ですが、行く場所は世界中に無限にあり、その中から行きたい場所を見つけて、そのルートを考えるのが一番の醍醐味かと思います。

もちろん旅行会社による世界一周のパッケージツアーもないわけではありませんが、あまりに選択肢が多いので、既成のツアーには収まりきれないことが多くて、旅行会社としても商売になりにくいのではないかと思います。

したがって自分自身ですべてを計画実行するか、旅行会社と相談してプライベートツアーを設定してもらうことになります。世界一周を扱っている旅行会社は、世界一周堂、HIS、JTBなどがあります。クラブツーリズムは、ある程度人数が集まるのを条件に世界一周ツアーを販売していたことがあるようです。

若くて元気のある人は、バックパッカーのようにして、ホステルやAirbnbを中心に、野宿も含めてチャレンジするのもいいかと思います。私も若いころはよくユースホステルを利用していました。

ただ、私の目指している中くらいの世界一周だとすると、「世界一周航空券」を購入して、ホテル宿泊を手配して旅行するのがいいかなと思っています。

世界一周旅行券は、スターアライアンス・ワンワールド・スカイチームといった航空連合(アライアンス)、ないしは世界一周路線を有する航空会社単独で取扱いを行っています。このあたりは別の記事でアップしたいと考えています。

ワンワールドの世界一周航空券予約ツール

このように、航空機を使った世界一周の場合は、行く場所、ルート、移動方法、宿泊場所、食事など、いろいろなことを自分で決めて実行する必要があります。

それが苦労するところでもあり、楽しいところでもあるのです。

添乗員はいないので、旅行中に起きたトラブルも自分の力で解決しなければなりません。

費用はその分、クルーズ船よりも安く抑えることができます。

今回はクルーズ船がテーマなので、飛行機の旅はこのへんにしておいて、次は、クルーズにおける日本船と外国船の比較をしてみたいと思います。

 

日本船が外国船と最も違う点は、日本人に向けた設計がなされているということです。

日本船のターゲットは日本人客です。和室仕様の部屋があったり、大浴場があったりします。

それに対して外国船は、いろいろな国籍の人が利用します。そのため、一般的には欧米仕様になっています。当然ですが、商売なので、顧客に最適な仕様にすることが重要です。日本人ができるだけストレスなく世界一周を楽しめるのは日本船ですが、逆にせっかく海外に行くのだから、外国の文化や習慣に浸りたいというのであれば、外国船もいいかと思います。

次に、言語の問題です。日本船は、当然日本語が至る場所で通じます。しかし、外国船は基本的に英語です。外国船でも日本人客をターゲットにした船、ツアーもあり、そんな船はある程度日本語が通じるようにはなっています。しかし、日本船ほどではありません。やはり英語を使う機会が多くなると思います。

私が以前乗ったことのあるクルーズ船は、一部日本人向けに切り売りされていましたが、参加した日本人は十数人で、残りは全部外国人だったため、避難訓練や、ショー等の催し物、レストランなど、すべて英語が必要で、けっこう疲れました。

外国船をまるまるチャーターして、オール日本人向けのツアーにするケースもあります。その場合でも、クルーは外国人がほとんどで、彼らとの会話は英語が中心になります。

外国船にはそれなりの楽しみ方もあります。様々な国の乗客が参加しており、食事で同席したり、いろいろな場所で、多くの外国人と接し、会話する機会があります。英語が堪能な人なら、外国人とのコミュニケーションを楽しめるいい機会だと思います。

食事も、メインのターゲット顧客に合わせているため、日本船の方が、日本人の口に合います。最近は外国船にも寿司レストランがあったり、日本人コックが乗船していたりしますが、やはり欧米人のお客さんが中心だとそちらに合わせた味付けになってしまいます。

日本船の食事は、どの船も非常にレベルが高くて、贅沢な旅が味わえます。多くの人がダイエットを気にする必要が出てくるほどです。

船の大きさの違いによる原因ですが、日本船の方がレストランの数や種類が少ない傾向にあります。外国船は大きな船が多く、そのぶん、レストランの種類やメニューも多岐にわたっています。ただ、日本船でも個人字的には十分かと思います。

日本船は日本を船籍としており、母港が日本です。旅のスタートと帰着は日本になっているので、自宅から宅急便で荷物を送ることができます。世界一周となると荷物が多いので、このサービスは助かります。

一方外国船(まるまるチャーターを除く)は、フライ&クルーズ(クルーズの発着港まで飛行機で行き、乗船してクルーズ旅行を楽しむ方法)がベースとなっているため、航空機の預け荷物として荷物を持ち込む必要があります。国際宅配便で送る場合は、料金が高かったり、手続きが面倒だったりというデメリットはあります。

【そして、一番重要なのが、旅行の費用です。】

クルーズ船の費用は、基本的に1泊当たりの費用で計算されます。

1泊当たり(1室2名利用時)5万円/1人の部屋だったら、世界一周100日コースの場合、約500万円かかるという計算になります。それにオプショナルツアーやらアルコール代、その他いろいろな費用が追加されます。

オプショナルツアーは日帰りか半日コースで、2万円前後、1万円台後半が多いようです。

価格は、日本船が外国船に比べて高い傾向にあります。

外国船を利用した日本人向けクルーズツアーが入ってきたときには、「価格破壊が起きるのでは?」と言われたことがあったほどです。大きな船を利用して乗客を大量にさばき、クルーも多国籍の比較的安い労働力を多く使っている外国船は、どうしてもコストメリットにまさります。

高級感がある旅行を楽しみたいという日本人客が多いためか、日本船は外国船とコスト競争するのではなく、高級志向で満足感を優先し、リーピート客を期待するような差別化を図る方向なのかなとも受け止められます。

 

次回以降は、もう少し、いろんなクルーズ船や、クルーズ旅行に関して掘り下げていこうと思います。